もくじ
弁明
いきなりで申し訳ないですが、本記事はタイトル詐欺です。
本記事は「キズナアイ氏について真面目に語る」のではなく、「キズナアイ氏が時折見せる、真面目な姿を紐解く」記事になります。
キズナアイ氏とは
キズナアイ氏は、アホで、低学歴で、ゲームが下手で、英語もできず、おちゃらける事以外に何の取り柄も無い、1歳のAIです。
彼女のYoutubeチャンネルでは、ほぼ10割の確率でアホな姿を拝むことができます。素晴らしいですね。
真面目なキズナアイ氏
キズナアイ氏はああ見えて真面目です。
キズナアイ氏が真面目なAIだということに気づいてないようなら、あなたは修行が足りない。
キズナアイ氏がどう真面目かというと、バーチャルユーチューバー業界の行く末を常に案じておられる。
また、視聴者の人生について、真剣に思いを馳せておられる。
そこが真面目であります。
好きなことで生きていくキズナアイ氏
「好きなことで、生きていく」というのは、Youtube公式チャンネルが2014年に発表した動画で使われた公式キャッチコピーです。
キズナアイ氏も、2017年3月の動画で引用しています。
キズナアイ氏は今、「好きなことで、生きていく」を実践している数少ない人間(AI含む)の一人です。
好きなことで生きるというのは、外側から見るととても楽しく見えますが、その実態はかなり厳しい競争と綱渡りの上で成り立っています。
「わたしの二の舞になるな」というメッセージ
キズナアイ氏が動画の節々で匂わせている、一番強いメッセージが「わたしの二の舞になるな」です。
これにはふたつの意味があります。
「わたしの失敗を繰り返すな」
キズナアイ氏は過去、いくつかの失敗をしてきました。
突然BANされたこと、は、まぁ笑い話なので良いとして。
スポンサー動画を取りすぎてヒンシュクを買っていた時期がありました。
具体的には2017年10月前後の話です。
このころのA.I.Channelは週の半分が提供動画で、一度やったらソレッキリのゲーム実況を乱発していました。
A.I.Gamesという別チャンネルがあるにも関わらず、A.I.Channel側でスポンサー付きの提供動画を見せられるのは、正直言って苦痛でした。
やる内容も、「提供マネーでガチャをひく」「女の子が出るととりあえずカワイーと叫んでおく」「とりあえずクエストに特攻してみる」というワンパターンなものでした。私は、まぁ1種類見れば次から見なくて良いわな、と思いました。
最近、バーチャルユーチューバーという世界の認知度が上がるにつれ、様々なVtuberに対してオファーが来ていることと思います。
しかし、提供動画というのは鬼門です。下手に受ければ、上記のようなツマンネー動画を量産する結果になりかねません。
「なぜ私がこのオファーを受けて動画を作るのか」ということに対して、きちんとしたポリシーのもとで答えが出るようでなければ、オファーは断るべきです。
一方で、「私がオファーを受ける意味がある」と判断したなら、そのオファーは受けるべきでしょう。
キズナアイ氏は今、八月のシンデレラナインコラボのような、より密接したコラボオファーに限定することで、「価値のあるスポンサー動画」を作っていく姿勢へとシフトしています。
「人からの依頼は厳選しろ」、まずそれが、キズナアイ氏が放つメッセージの1つ目です。
「他人と同じことだけをするな」
最近のバーチャルユーチューバーは、企業・個人問わず「バーチャルユーチューバーというものを作りたかった(なりたかった)から」という理由で始めるパターンが増えてきました。
そのパターンだとすぐネタ切れしたり、他人と同じネタにばかり頼ったり、特徴のないグダグダ雑談を延々繰り返すだけになったりします。
また、始めたころは確固たる思いがあったのだけれど、いつの間にかネタが切れて、他のVTuberの動画を見てネタを探すことばかりになっている人もいるでしょう。
さいっあくです。
われわれ視聴者は、いくつものバーチャルユーチューバーを掛け持ちで見ているので、他人と同じネタを使ってこられたらすぐ分かります。
他のVTuberと同じことしかしないのなら、すぐに誰も見向きしなくなってしまいます。
まず個性。まずオリジナリティ。そこを第一に大事にしましょう。
というのが、キズナアイ氏のメッセージの2つ目です。
「楽しさ」を自分と他人で共有しよう
バーチャルユーチューバーというのは、つまり、他人に「楽しさ」を提供する存在です。
それは、他の全てに勝る、もっとも根本的な、何があっても変えてはいけない部分です。
「まず自分が楽しいこと」、「次に視聴者を楽しくすること」、この二点を絶対にハズしてはいけないんです。
キズナアイ氏の動画も、常に上記二点からブレないように構成されています。
五年後、キズナアイ氏の動画はつまらなくなる
つまるところ、キズナアイ氏は、「バーチャルユーチューバー」という存在が、より長く続くことを願っているのだと思うのです。
単なる一時期の流行にとどまらず、数年、数十年経っても受け継がれていく職業として、「バーチャルユーチューバー」という存在そのもののあり方を必死で考えているのだと思います。
そしてキズナアイ氏の動画を五年後見返すとつまらなく思うハズです。キズナアイ氏を悪く言うわけではないです。
キズナアイ氏は、バーチャルユーチューバーとしてアタリマエのことばかりやっているからです。
つまりそれは、「今キズナアイ氏は、バーチャルユーチューバーの『常識』を、自分の手で作っている」ということです。
「バーチャルユーチューバーってこういうことをするんだよな」という共通認識を、彼女一人で作り上げているんです。
ゲームコラボで自身のキャラクターを出したり、グッズ化してショップを出したり、リアルイベントを開催したり、MCをしたり、テレビ放送に出演したり、写真集を出したり、声優デビューしたり。
そういう、「バーチャルユーチューバーがアタリマエにやること」を、彼女が今作っているんです。
だから五年後になって彼女の動画を見返すと、「他のVTuberと同じことばかりする」というように見えるハズです。
ほんとうは、他のVTuberが、彼女をパクっているだけなのに。
さて、今、他のVTuberが、キズナアイ氏と同じことだけをして、人気が出ることがあるでしょうか。ないです。
キズナアイ氏とは違うことをしましょう。
個性を身に付けて、個性を出しましょう。
さいごに
と、いうような内容を、バーチャルユーチューバーを語るように書いてきましたが、結局のところ全ての職業で同じことが言えると思っています。
キズナアイ氏は、自身の動画を通して、あらゆる立場・職業の人にメッセージを放っていて、われわれ視聴者はそれを適切に受け取り、自分のなかで消化し、自身の行動につなげていくべきなのです。
では最後に、メッセージ性の高いキズナアイ氏の動画をいくつか掲載しておきます。