年始なので、VTuber界隈の話をします。去年の記事はこちら。
去年の記事の振り返り
去年は「どうやったら無理なく続けられるか」を考える年になると書き、事務所からの離脱者が増えることも予想しました。
結果として、かなり悪い形で的中してしまいました。特に年末の天音かなたの引退は業界に大きな衝撃を与えました。
また、リアルイベントへ生身で参加する活動者が増えるという予想も概ね的中しました。
いわゆる2.5次元VTuberは、中小事務所や個人勢の中で増加しており、クインテのように「会いに行けること」を売りにするグループも現れています。
一方で、リアルアイドルが関与していても必ずしも成功するわけではなく、夢みるアドレセンスの姉妹ユニットYUMEADO VANQUISHはリアルを見せないまま解散した例に注意が必要です。
2025年の雑感
業界で大きなニュースはいくつかあります。
例えば、キズナアイの復帰や星街すいせいのガンダム挿入歌への採用、宝鐘マリンの登録者数400万人突破などです。
VR領域ではVirtual Sanrio Purolandの常設化やホロアース上でのライブ開催など、YouTubeに依存しない活動形態の模索も進みました。
一方で、これらがVTuber業界全体に関わる重大イベントだったかというとそうでもなく、順当な歩みが進んだだけ、と思います。
ここで2025年の注目プロジェクトとして、2025年デビューのうおむすめがあります。
釣りをコアに据えた2.5次元プロジェクトで、現実での動画撮影を積極的に行い頻繁に釣り動画を公開するなど、ターゲット層が既存のVTuberファンとは異なる点が特徴です。
また、長期プロジェクトを公言しており、所属タレントが引退する際に”中の人”の交代を計画的に行い、うまく受け入れられた例でもあります。
2026年1月現在、メンバーのチャンネル登録者数は5万人程度と、デビュー1年の新規事務所としては非常に大きな伸びになっています。
2.5次元の利点を大いに活かして”釣り好き”というブルーオーシャンを掴んだ点、ご法度とされている中の人の交代を誠実な対応で乗り越えた点で非常に特徴的な事務所です。
2026年の予想
大胆な予想ですが、「山が崩れる」可能性、つまりホロライブを中心とした大手勢の構造変化が起きるかもしれません。
天音かなたの引退は、タレントマネジメントの課題を可視化しました。企業が迅速に組織運営を改めない場合、追加の脱退が続く懸念があります。
また、大手だけでなく中小事務所でもマネジメントの問題は存在すると思われ、結果として「企業に所属し続けること」への不信感が強まる可能性があります。
視聴者は「箱(事務所)」ではなく個人の配信者を支持する傾向が強く、独立や小規模グループ化が進むことが予想されます。
つまり、推しが企業に所属することで推しの心身が疲労するぐらいなら、引退・転生してもらった方がオタクの心が健やかだ、ということです。
企業所属でないと叶わない企画は確かにありますが、そのような企画を強く望んでいない配信者も数多くいます。
こういった流れから、VTuber事務所は大手・中小問わず苦難の年になるのではないかな、と感じています。
一方で、VTuberジャンルの人気自体が急落するとは考えにくく、活動形態の多様化がさらに進む年になるでしょう。
また、先述の2.5次元VTuberの流れも加速するはずです。
緩やかにですが、VTuberであることで生まれる”足かせ”をリアルの姿を見せることで回避する動きが来ているように思います。
まとめ
以上を踏まえ、2026年は「事務所の運営体制の健全化」と「活動形態の多様化」に注目するべき年になるでしょう。
企業にとってはがむしゃらに成長を目指せばよかった時期が過ぎ、いちど落ち着いて襟を正す時期に来ているように思います。