岩本町芸能社のあんたまCDデビューに女優部を入れるか入れないかという議論イベントが発生したので、自分の意見を書いておきます。
もくじ
「アイドル」の指す対象について
アイドルには二種類あります。
メンバーが日々加入し、卒業し、メンバーの新陳代謝があるグループと、
初期メンバーから増えも減りもせず、メンバーの新陳代謝がないグループです。
前者の代表例はAKB48で、後者の代表例はμ’sです。(二次元・三次元という区分はとりあえず抜きにして、分かりやすい例ね)
もちろん実際にはその中間として、ごくまれに追加メンバーが入ったり、ごくまれに卒業メンバーが出たりするグループもあり、実は大半が中間的なグループであったりします。
「あんたまがVRアイドルとしてCDデビュー決定だ!」ということが決まったとき、自分は「あんたまは後者のアイドルグループとしてデビューするんだな」と無意識的に感じていました。
それはおそらく、他のあんたまにあも同様のものであったと思います。
それぞれの方針の利点と欠点
新陳代謝がないグループ
ファンがメンバー個人個人を応援することと、グループを応援することの間に、気持ち的なギャップが少ないことが利点です。
メンバー=グループ、という雰囲気を感じる、ということです。
また、グループとメンバーが強く紐づくことにより、グループのストーリー性が増す、という利点も挙げられます。
一方でマンネリ化しやすく、長く続けると「似たようなパフォーマンスばっかり」と思われたり、ファン層が内に閉じてきて新規ファンを得にくくなるという欠点があります。
また、生々しい話ですがメンバーの高齢化も問題になり、メンバーが高齢化するということはファンも高齢化するということで、「最初は中高生にウケていたはずなのにいつの間にか社会人向けのアイドルグループになっちった」という事例もあったりなかったりです。ジャニーズ系アイドルなんかそういう雰囲気多いですね。
新陳代謝があるグループ
基本的に、上記の利点と欠点の裏返しになります。
定期的に若い子が入ってくる。これは最大の利点です。若いメンバーがいれば若いファンも呼び込めます。新しい分野へのチャレンジも見込めます。
一方でファンにとってメンバーを応援することとグループを応援することの間に生じるギャップは大きいです。
「いつか推しが卒業するかもしれない」という不安に苛まれながら応援し、いざ卒業したら推しの居ないグループにどう接したら良いのか分からなくなってしまいます。
メンバーの新陳代謝問題に対する既存の解決案
それぞれ利点と欠点があるなか、既存のアイドルはどう解決しているでしょうか。
ぶっちゃけ最近の主流は、「一つの母団体がアイドルグループそのものをいくつも立ち上げて、グループ自体で新陳代謝させる」です。
AKB48に対する欅坂46であったり、μ’sに対するAqoursであったり、アイドルマスターに対するシンデレラガールズであったりするものです。
これらは「同じ系統のアイドルグループ」という看板を利用しつつ、メンバーを刷新し新しい風を吹き込むことができます。
そしてこの方針を取る場合、個々のアイドルグループはメンバーを入れ替えないべきでしょう。
岩本町芸能社の今後への思い
岩本町芸能社からデビューの決定したあんたまに女優部の3人を入れたユニットにするべきか否か。
上記の議論からすると、「メンバーの追加は止めるべき」ではないか?と思うかもしれません。
しかし私は、「まだこのタイミングでの追加はギリギリ許容範囲内」だと思います。追加するのが女優部の3人であれば尚更「許せる」と思います。今ならまだ間に合う。
なぜなら、今はまだデビュー前だからです。
twitterのフォロワー数こそ1万人を超えデビューが決定しましたが、それでもまだ12,000人強。
Youtubeのチャンネル登録者数も7,000人強。実際に生放送して見に来てくれるのは1,000人居ません。
正直まだまだ少ないです。
これはどういうことかと言うと、「いざデビューして大人気アイドルになったその日には、今現在応援しているファンの数十倍の人たちが応援してくれる」ということで、そうなったときに「初期ファンだけに都合がいいアイドルグループ」ではダメなんです。
今のうちから、「今後生まれるであろう数万人のファン」に喜ばれる価値を作っていく必要があります。ぶっちゃけ、大人気になった暁には初期ファンなんか切り捨てて良いと思っています。
このへんは割とラブライブ!でμ’sを応援していたころの実体験含みの話ですね。
ユニバーサルミュージックのレーベルヘッドという業界人が「人数が多い方が良い」という意見を出しているのであれば、少なくともそれは一般論として正しいです。
そこに対して「どうしてもあんたま二人でなきゃダメ」というのであれば、それなりの根拠のもとで否定すべきでしょう。
それを言える一番の根拠は「フォロワー10,000人を達成したのはあんたまの二人だから」、「いま支持されているのはあんたまの二人で、女優部ではないから」という部分だと思います。
「これまで頑張ってきたのはあんたまの二人だし、あんたまの二人でデビューしてほしい」というのはもっともな話で、自分にもその感情はあります。
しかし、今後の道のりを考えれば、今はまだスタートラインから足を踏み出しきっていない状態です。今いるファンのことばかり考えて将来を見失ってはイミがないんです。
「今のファン」は最終的に少数派になります。そこをきちんと理解しましょう。
1stシングルをリリースするときに5人であれば、「5人組ユニットとしてデビューした」という事実が作れます。
そして、数ヶ月もすれば5人組ユニットとして活動してきた時間の方が長くなります。
今ならまだ間に合うから女優部を入れたユニットとしてデビューすべきだ、そして今後のメンバー追加は断じてしないべきだ。
これが自分の意見です。
さいごに
正直今回の公式サイドからの意見募集は悪手だったと思います。
なぜなら、「岩本町芸能社はあんたまのブランディング戦略がきちんと定まっていない」というのが露呈してしまっているからです。
ファンの気持ちを尊重したい、というのは伝わりますし嬉しく思いますが、そこは丸茂さんなり他のスタッフなりが我々ファンの心情を忖度(流行語)して、「この結論ならファンが喜んでくれる」という答えを出してから発表してほしいと思います。