まず実物のリンク貼りましょう。GitHubに上げました。
今回はGo言語で書いてますが、ポイントがいくつかあります。
ちなみに言語としてGoを選択したのは、なんとなくソコソコ早そうだからです。
実際、うちの環境で日本全国を統合して1つにする処理が3分ぐらいで終わります。容量的には600MB -> 350MBぐらいになりますが、まぁまぁ頑張ってるんじゃないでしょうか。
じゃあポイントについて説明していきます。
苦労ポイント
国土数値情報、右手系じゃない。
色々触ってから分かったんですが、国土数値情報のデータ右手系じゃないです。
じゃあ左手系か、っていうとそうでもなくて、つまり環の周り順が統一されていない。
どうもGeoJSONのPolygonが右手系だと正式に定義されたのがRFC 7946らしく、これが発表されたのが2016年と最近なので、古いツールが吐くGeoJSONはRFC7946に沿ってないようなんですね。
まずはココを統一しないことには、マージした際に外側の境界になるのか穴になるのか分からない。というかそもそもGeoJSONとして仕様外とみなされてしまう。
というわけでデータを右手系に統一するツールから作る必要がありました。
Featureのマージ
これまで机上で考えていたものを実装に落とし込むにあたり、色々と細かい考慮が必要でした。
特にFeatureのマージを管理するために、元のどのFeatureがどのFeatureへとマージされるかを保持する辞書が必要になりました。
閉路の始点を探したい
エッジの集合が整理できたあと、そこから閉路を作成しなければいけません。
そのためには「まずどの辺を取るか」を管理しないといけない…と思ったんですが、正直始点なんかどこだっていいので、
- エッジの辞書をfor文で全要素回すフリをする
- 1つめの要素を取ったらすぐbreak
という手法で始点を抽出しました。
ちなみにGo言語は辞書をfor文で読むと、ランダムな順序で帰ってくるらしいです。そのせいで、実行するたびに結果が変わります。
外側の環と穴の区別をつけにくい
閉路を作っている段階では、いま作っている閉路が穴になるかどうか分からない。
さらに上記の方法のせいで、最初に作る閉路が外側の環とは限らないので、「とりあえず閉路を全部並べてから、あとで外側の環と穴の区別を付けて再度整理する」という手間を取りました。
上手くやればもっと上手くできる気がします。
成果
というわけでいろいろ苦労の末、モノができました。GitHubに上げてあるので好きに使ってください。
たとえば以前作ったUnityのコードに食わせればUnity上で表示できます。
たとえばGeoJSONLintっていうサイトに食わせれば地図に合わせて表示できます。
ちなみにこのサイト、当然Lintしてくれるんですが、crsフィールドの書式が古いって言われて怒られます。がんばれ国土数値情報。
ズームするとキチンと海岸線沿いに沿っているのが分かります。国のデータが元になってるので当然なんですが。
おわり
というわけでGeoJSONをマージする連載も、一定の成果が出せたので一旦おしまいにしたいです。
ただ、いまの出力では粒度が細かすぎてデータがすごい容量になるので、適度に数値を丸めてデータ量を抑えたりしたほうが良さそうだな、とか、色々と改良は思い浮かぶので、そのうちバージョンアップしたいですね。