ドスパラには上海問屋の激安謎microSDカードがあります。
SDXC規格に対応していてUHSスピードクラスがUHS-I U3、ビデオスピードクラスがV30、それでいて64GBで1,000円を切るという強烈な安さを誇るmicroSDカードです。
安さのあまり買ってしまってSDサイズへの変換アダプターを付けて一眼レフに突っ込んで使っています。ちなみに機種はEOS Kiss X7。
中々早くてコイツはすげぇな、って思っていたんですが。が。
こいつ、たまにカメラで読み込めなくなる。
ふとカメラの電源を入れると、カメラ上でフォーマットが認識できないっていうエラーが出て使えなくなりまして。
えっうそーんマジでー?って思って、とりあえずPCに突っ込んで見たんですがPCでも読めない。
どうやらファイルシステムがぶっ壊れたらしい。
しゃーなしに再フォーマットしたら使えるようになったので、まぁそういうこともあるのかな、と思ってたんですが、
一週間ぐらいでエラーが再発しまして。
これはもうババ引いたかな、と思って色々調べました。
データをサルベージしてみる
SDカードからのデータ復元にはphotorecが良い
まずぶっ壊れたデータのサルベージを試みまして、色々試したですがphotorecが無料でちゃんと動くので良いです。
photorecっていうのはTestDiskっていうツール群に含まれてるツールで、OSSなので商売っ気が無くて、「無料版は○ファイルまで!」みたいな制限なくキチンと使えます。というか、他のツールは商売っ気がありすぎて体験版じゃマトモに使えない。
使い方の説明はこのサイトが良いです。
説明どおりにキーボードぽちぽちすればRAWファイルとjpgがずらーっと救出できました。
ファイル名が復元されないのが玉に瑕ですが、一眼レフのデータなんて所詮連番がついてるだけなので無くても困らなかったです。
SDカードの容量偽装を疑ってみる
さてmicroSDがどうもおかしいらしいので、原因を探りにいきます。
SDカードが不審な動きをするとき、まず考慮するのは怪しげな偽装品を掴まされた可能性です。
最近、と言ってもここ数年、SDカードの偽装が流行っていて、「見た目の容量は64GBあるように見えて、実態は4GBしかない」みたいなSDカードが存在するんですよ。それも見た目って言っても表面の印刷の話じゃなくて、SDカード内のICチップに細工がしてあるタイプ。そうすると挿したデバイス上では容量が64GBと認識されて、実際に書き込み要求も受け付けるのに、実は同じ領域を何度も使いまわしてそれっぽく見せかけるという。そんな恐ろしいSDカードが実在する。
もしかしてソレ引いたかな、と思って、チェックツールで確かめてみました。
CheckFlashしてみる
SDカードのチェックツールとしてCheckFlashってのがあったので使ってみました。
これはSDカードいっぱいにテストパターンを書いて読んでを繰り返す、memtest86+みたいなヤツです。
たとえば「最小パターン」っていう構成だと、0x55(01010101)と0xAA(10101010)を書いて読んで、全てのビットを立てて落とす、って処理をしてくれます。
詳しい使い方はこのサイトが詳しいです。
で、回しても問題なかったんですが、やってることは同じ情報を書いて読んでいるだけなので、上記したような領域を何度も使い回すタイプの容量偽装を見抜けない。
h2testwしてみる
次に試したのがh2testw。
これはテストパターンではなくランダムなデータ(無限に生成するハッシュか何か?)を延々と書いて読んでテストするツールです。
ランダムデータなので、仮に領域の使い回しが起きた場合にきちんと検出できる。
詳しい使い方はこのサイトで。
で、これまた問題ない。
こいつは困った。このmicroSD、ちゃんと動くぞ。
結論をひねり出すと
おそらくPC上では何も問題なく動くんでしょう。テストツール複数かけて異常が出ないんですし。
じゃあカメラでなんでエラー出るの?ってとこが疑問ですが、
……カメラから供給される電源電圧が少し低いとか?ですかね?
SDカードのコントローラICがきちんと動けてないんじゃないのかなぁ…?それぐらいしか原因がわかんないなぁ…?
とりあえず、EOS Kiss X7と上海問屋SDカードは相性が悪いようなので、利用を考えてる人は少し考えたほうが良さそうです。