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「遠赤外線で温かい」とは何か調べてみた

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皆さん、遠赤外線好きですか?
コタツとか、サウナとか、電気ヒーターとかから出てるらしいです。
焼き芋とか焼き鳥とか、土鍋とかも、遠赤外線で美味しくなるらしいです。
どういうことなんでしょう。私はよくわかりません。調べてみました。

そもそも「遠赤外線」って何

まず遠赤外線とはなんでしょう。言葉の定義から見ていきます。
遠赤外線は、「遠」い「赤外線」です。
赤外線というのは、目に見えない光のうち、赤色からちょっと外れたところの光を言います。
赤外線を細かく分類したとき、より赤から遠い側を遠赤外線と呼ぶ、ってことです。

つまり、遠赤外線は人間の目には見えない光の一種、なわけです。

遠赤外線が温かいとは?

では遠赤外線が温かいとはどういうことでしょうか。
光が温かいってなんなんでしょう。
皆さんは「緑ってあったけぇな」とか「赤ってあったけぇな」って思ったことはありますか?
まあ気分的に青より赤のほうが温かく見えるとか、そういう雰囲気の話ならあるでしょうが。
光が温かいとかおかしいですよね。
温かいっていうのは、お風呂に入ったりしたときに感じるもののことです。

と、いうだけではなく、実は光は温かいです。
熱の伝わり方の一種として、「熱輻射(ねつふくしゃ)」(熱放射とも言います)というのがあって、光(電磁波)を使って熱が伝わります。
これの代表例が太陽です。太陽に手をかざすとなんだか温かい気がしますが、これは太陽の熱が光に乗って手のひらに当たっているからなんですね。多分。
ちなみに他の熱の伝わり方は「熱伝導(触れた部分から熱が伝わる)」と「熱対流(気体や液体が混ざる)」があります。

ここでさらに、熱輻射によって熱を受け取りやすい波長というのがあって、それがちょうど遠赤外線らしいんですね。

より詳しく言うと、遠赤外線を熱として吸収しやすいのは、遠赤外線の波長が分子の熱振動と一致するから、らしいんですね。
そもそも温かい・冷たいというのは、ミクロな目で見ると原子や分子が震えているからなんですが、その震えるときの周波数が、光で言うと遠赤外線と同じ。
つまり、ものすごくちょうど良い間隔で原子や分子が震えるのを手助けしてくれるわけです。

というわけで、遠赤外線を浴びると温かくなることがわかりました。

遠赤外線を発するってなんなの

さて一方、遠赤外線を発するとは何なんでしょう。
太陽が光っているのは見ればわかります。
電気ヒーターやコタツも、赤く光っているので、光を出してるのは間違いないでしょう。赤く光っていれば、たぶん赤外線も出ているでしょう。
でも、「焼き芋に使う石が遠赤外線を出す」とか「土鍋は遠赤外線が出る」とか、信じられるでしょうか。
どう見ても光ってませんよね、石も土鍋も。

ここで、物理的には「吸収」と「放出」って作用反作用みたいに裏表の現象で、吸収しやすいものは放出しやすくもあるんですね。
細かい話は省きますが、実は光ってるんですよ、石も土鍋も。なんなら人間だって光ってます。
ただ光っている波長が遠赤外線で人間の目には見えない(それにとても微弱)、というだけで。
機械を使えばこれを捉えることができて、サーモグラフィーカメラは遠赤外線を見ているわけです。
サーモグラフィーも何か特殊な仕組みで動いているわけではなくて、単に「人間には見えない光で光ってるのを見ているだけ」っていう話なんですね。

で、その中でも石や土鍋は熱に強いので加熱しやすく、熱すれば熱するほど遠赤外線を出すようになるので温かい、ということのようです。

遠赤外線の何が良いのか

さて遠赤外線の仕組みは分かったとして、遠赤外線は何が良いのでしょうか。
結論を言うと、遠赤外線が他の加熱より特別優れている事実は無いようです。

いくつか調べた例をあげます。

Q. 遠赤外線は芯から加熱できる?
A. 遠赤外線はせいぜい1mmも浸透しない。太陽の光を浴びても体の中心がいきなり暖かくなったりしない。芯から加熱したいならマイクロ波を使った電子レンジの方が、数cmは浸透する。

Q. 遠赤外線はじっくり加熱できる?
A. 「直火で熱さず、石や鍋を温めることで間接的に熱が入るので弱火になる」という話でしかない。普通に弱火にするなり、低温調理器を使うなりと同じ。

Q. セラミックは常温でも遠赤外線を出す?
A. 出さない。正確には、人間もセラミックも温度に応じた遠赤外線を常に出していて、セラミックが特別に遠赤外線をドバドバ出すわけではない。

Q. 結局ほかの加熱方式と違う点はどこ?
A. 熱源に触れていなくてもいいし、熱された空気や水にも触れていなくてもいいところ。

Q. 石焼きの焼き芋や炭火の焼き鳥が美味しくなるのはなぜ?
A. 火の入り方がちょうど良くなると思われる。遠赤外線に頼らなくても同じ味は出せるが、石焼きや炭火なら簡単に美味しくできる、というのであれば価値がある。

このような感じで、遠赤外線で温まるのはニセ科学ではないが、ニセ科学に片足突っ込んでいる商品もあるという状態のようです。

まとめ

というわけで、遠赤外線について調べてみました。

  • 遠赤外線は人間に見えない光の一種
  • 「熱輻射」で吸収しやすい波長
  • 吸収しやすいのと同時に放出しやすくもある
  • 温度の高いほとんどの物質は遠赤外線を放出している(光っている)
  • べつに芯まで浸透したり、常温でも効果があったりはしない
  • 実際に美味しかったり暖かかったりするなら、それは別にニセ科学ではない

それではよき遠赤外線ライフを。

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