バーチャルユーチューバー ポエム

2019年、VTuberについて思うこと

投稿日:

2017年~2018年の年末年始にVTuberという存在がブレイクして、どういうわけか一年間も流行が続いている。俺はと言えばこのサイトでも岩本町芸能社やキズナアイちゃんについて度々取り上げていて、TwitterではVTuber業界の行く末を真に憂う者などと恥ずかしい自称をすることもある。

そもそも事の発端はキズナアイであり、そのフォロワーとして電脳少女シロが続いた。この二人がブレイクしたとき、中心となる視聴者は重度のオタクだった(わたしのことです)。VTuberというのは、これまでユーチューバーに見向きもしなかったオタクくんたちをターゲットに展開されたコンテンツだ。
なぜオタクくんたちは既存のユーチューバーを見なかったのか。それはオタクくんは二次元の美少年・美少女キャラクターにしか興味がなく、三次元の世界に住む人間はアニメ声優しか知らないからだ。ヒカキンとかいう人間が世界に居ることは知っていても、全くもって興味がない。
そこでVTuberが出てきた。オタクくんは二次元の美少女キャラクターの延長上にあるキズナアイに興味が湧いた。動画を見た。オタクくんたちはこのとき初めて「ユーチューバーを見る」という娯楽に触れた。だから盛り上がった。ユーチューバーとVTuberには視聴者層の壁があった。

一方でVTuberに「なる」側はどうか。2017年にはぽつりぽつりとしか居なかったVTuberは2018年に大発生した。なぜか。「VTuberになる方法」が急速に整備されたからか。それもあるだろう。しかし本質はそこではない。
これまでユーチューバーではなかったが、VTuberであればなってみたい、という「魂」が数多く居たからだ。配信でのリアルバレのリスクが怖かったとか、自分の顔や容姿に自信がないとか、そういう連中がこぞってVTuberになった。俺の想像でしかないが。
あえてバーチャルを選ぶ魂は、実力がある者が多く、また、視聴者であるオタクくん達との親和性も高かった。要はVTuberの魂もオタクであった。もちろん、そうでないケースも数多くあった。しかし実力のないものは自然淘汰され消えていった。
一部の初期企業勢はあまりオタクではない魂を呼び込んでもいたが、外面はオタク受けするように仕込んであったと思う。明確にそうでないと言えるのはときのそらちゃんぐらいのものではないか。

そして場が盛り上がるにつれて、俺にとってつまらない方向性へと発展が進んできた。一般人に存在がバレたのだ。VTuberというものを、オタクくん以外も視聴するようになった。
するとどうなるか。当たり前だが、世間の人間をオタクと非オタクに分けたとき、非オタクの方が人数が多い。「VTuber」という場のマジョリティが非オタクに取って代わられるのである。
非オタクは何か悪いことをするか?しないだろう。しかし、俺のようなオタクくんにとって、非オタクというのは決して相容れない感性の持ち主だ。
VTuberが、だんだんと、非オタクに支持される方向へと進んでいく。
「魂」もそうだ。これまではオタク受けの良い魂が優位だったのに対し、だんだんと一般受けする魂が優位へと変わっていく。
社交性があり、流行りの歌に詳しく、誰もがプレイするゲームを遊び、覇権アニメを好んで見る。
VTuberと、普通のユーチューバーの境目が薄れてくる。
「誰が見ても楽しい動画」をたくさん作る。そしてたくさんの非オタクがそれを見る。

昔、昔といっても一年前、当時のVTuberは、「VTuberしか見ない人」と「VTuberにしかなれない人」のコンテンツだったと思う。
今のVTuberはそうではなく、「なんでも見る人」がメインターゲットで、「バーチャルの皮をかぶったほうが人気が出るからVTuberになった人」がコンテンツを作っている。
売れるVTuberというのは、一般的な感性で見たときに面白いことをする人、きちんとした営業活動に励んでいる人のことを指す。

いいことか悪いことかは各自の感性だと思う。俺も、理性的な目で見れば業界の発展の象徴として喜ぶときもある。
しかしいつの間にかマジョリティを取って代わられ、俺とは違う感性の人向けに業界が発展していくのを、あまり面白く思えないときもある。
そんな中でも俺はまだ10人前後のVTuberを一応応援していて、彼女らが配信をすると言えば見に行くようにはしている。ただ、毎日毎日誰かしらが配信するために俺の可処分時間はどんどん削られている。そこで知らない曲の歌唱動画を上げられたり、よく分からん雑談配信を一時間も二時間も続けられたりしていくのを見ると、「あれ、俺はこういうコンテンツは嫌いではなかったかな?」と思う。「もしコレがニコ生で、配信者がバーチャルではなかったら、俺は5秒も見ずにブラウザを閉じるのでは?」と思う。

俺は新しもの好きで、だからこそVTuberも早い段階から追いかけてきたが、しかしそろそろVTuberというのは新しくないモノへと堕ちてきているように見える。
VTuberが流行から脱却し、一つのコンテンツとして認められるとき、そこに待つのは他のコンテンツとの競合である。
はたしてVTuberは、漫画や、アニメや、ゲームと肩を並べられるほど面白いのか。
それとも、ヒマを持て余した一般人しか見ないようなコンテンツになってしまうのか。
オタクくんである俺にとって、この業界が俺好みの方向へ進むようには見えなくなってきた。

-バーチャルユーチューバー, ポエム

執筆者:


  1. 匿名 より:

    自分は、今ウケているvtuberはオタク受けしやすいキャッチーで過激なことをしているタイプだと感じてるので、「誰が見ても楽しい動画」を作って「非オタク」にウケているvtuberが増えているっていうのが全然ピンと来ないんですよね
    っていうかキズナアイこそ「誰が見ても楽しい動画」を作ってYouTuberらしい活動をしていたタイプでは?

  2. 匿名 より:

    大衆化して陳腐化、形骸化は避けられないですよ
    YouTubeなんて綺麗なインターネットみたいなところで大きくなっていけばそれは避けられないです
    最終的には、ネット上で着ぐるみ使える方法論だけ企業に利用されてありふれたものとして形骸化してくと思います
    女子中高生に流行るものが生まれたら終わり。AKBみたいなアイドルグループだったらもっと終わり

comment

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

まんがタイムきらら展が良かったので行くべき

まえおき 漫画読みにとって、出版社というのはときに味方でありときに敵である。 個人的には出版社に対して好意を抱く回数より、敵意を抱く回数のほうが多い。 好きな漫画が打ち切りエンドを迎えたとき、好きな雑 …

no image

#マシーナリーとも子ブログ

今話題のバーチャルユーチューバーは誰?って聞かれたとき、どの人を思い浮かべますか? RAIN 誰をターゲットにしているのかさっぱりわからない上に何一つ得意なことがわからないRAINちゃん? 【目安BO …

神田明神ホールでの初ライブレポ(えのぐ5thライブ)

2018年12月15日、神田明神に新しいランドマークができました。 その名も神田明神文化交流館。 その2階と3階はぶちぬきのホールになっており、ライブなどでの利用が可能です。これを神田明神ホールといい …

no image

TUBEOUTとVサマとINSPIXをくらべてみよう

まえがき 最近立て続けにVTuberのイベントに参加して、色々なプラットフォームに触れました。 せっかくなので体験を覚えているうちに比較してみようと思います。 以下、体験順に紹介します。 TUBEOU …

no image

キズナアイはNHKのノーベル賞解説の聞き役として適切である

もくじ1 問題の整理1.1 太田氏の提起する問題1.2 千田教授の提起する問題2 太田氏の問題への意見3 千田教授の問題への意見4 おわりに 問題の整理 NHKがノーベル賞解説コンテンツとして『バーチ …