突然変なこと言うけど、大学に行くべきか行かないべきかっていうのは難しい問題だと思うんじゃよね。
大学っていうのは高度な学問を学ぶ場であると同時に、「将来を考える」ことから逃げるモラトリアムでもあるの。
難しいことを言っていると思う。
つまりね、世の中には
- 大学に行くべき人
- 大学に行かないべき人
- どちらでもない人
の三通りの人がいて、実はだいたいの人が「どちらでもない人」なのよね。
で、多くの場合、どちらでもない人は、「とりあえずどっかの大学に行く」ことが多いのね。
さて、じゃあどういう人がどのグループか、っていうのを考えてみたいと思う。
ぶっちゃけ言ってしまって、「どちらでもない人」っていうのは、夢や目標が定まってない人のことなの。
そういう人はとりあえず将来の自分のやりたいことを探すために、とりあえず普通の人が普通に進む道を辿るの。つまり、今の時代だと「なんとなく行ける大学に行っとくかー」ってなる。それが安全だから。
そしたら逆に、夢や目標をしっかり持っている人は、夢や目標に向かって突き進むべきなのね。
例えば医者とか弁護士とか、「そもそも大学に行かないとなれない仕事」に就きたい人は大学を目指す。もちろん目指します。あたりまえです。
他にも、ある程度勉強ができないと就けない仕事はたくさんあって、そういう仕事はたいていの場合大学を卒業した人が働いている。いわゆる「フツーの会社のフツーの会社員」はだいたいそう。
で、「大学に行かないべき人」っていうのも実はいて、この記事ではここに芸大生あたりも含めちゃうけど。普通の大学では学べない分野の仕事をしたいひとは、大学に行かないべき。
料理人とか、音楽家とか、イラストレーターとか、ダンサーとか、俳優とか、アイドルとか、スポーツ選手とか、お笑い芸人とか。そういうのを目指す人たちは、わざわざ大学に行く必要なんてないと思う。
もしくは家業を継ぐ人とかね。家が旅館だとか工場だとか。そういう人ね。
というわけで「じゃあ俺はスポーツ選手になりたいから大学に行かないぜ!!」っていう人。
そういう選択をするのは良いことだと思うんだけど、一方で、
本当にその仕事を一生やっていけますか?
ってことを一度しっかり考えてみてほしい。
たとえば声優になりたいとして。
声優なりたーい!って言って養成所に入って、どこかの事務所に所属したとして、ちょろっとアニメの主役が貰えたりしたとします。
でも別に売れっ子にならなかったとしたら、まぁ、10年もすれば業界から見なくなっちゃう。
たとえばスポーツ選手になりたいとして。
一生懸命ガンバってオリンピックに出て、メダルがもらえるかもらえないかのところまで強くなったとします。
でもやっぱり10年もすれば体力が衰えて引退するしかなくなっちゃう。
そのあと、なにするの?
そもそも、そこまで到達できるの?
そういうところをしっかり考えてみてほしい。
夢が叶ったそのあと。もしくは、夢が叶わなかったとき。どういうふうに生きていくんだろう。
おじいちゃんおばあちゃんになるその日まで、どうやって生活するんだろう。
別に夢を諦めるなというわけではなくて、夢を追いながら「人生の保険として大学にも通っておく」という選択肢があるよ?というお話なんです。
「漫画家として売れなかったのでいまはフツーの会社で働いてます」っていうためには、フツーの会社で働くための準備をしておかなきゃいけない。
いまの時代、大学に行かないということは、「フツーの人がフツーにできることができない」ということです。
もちろん、大学に行けば仕事に就けるわけじゃないし、大学なんて何歳からでも入れるし、高校を卒業すればすぐ大学に入らなきゃいけないわけじゃないんだけど。
でも、「大学に行かないことで実現できる夢」の裏側には、「大学に行けばできたかもしれないこと」がたくさんあることを知っていてほしい。
まぁ、大学生の半分以上は「特に夢や目標もないけど大学に居て、べつに授業にも出てないから何も学んでない」って人なんだけどね。