毎年恒例、VTuber界隈の雑感のコーナーです。
まず2022年の振り返りですが、まずはキズナアイの活動休止ですよね。見事な終幕だったと思います。とはあえ歌唱特化型AIキズナちゃんのCevio AIモデルが期間限定発売されたりオリジナルアニメーション「絆のアリル」も放送予定と、VTuberとしての活動は辞めたもののプロジェクトは継続中です。
次にやはり予想通りではありますが、廃業するVTuber事務所の姿が目立ちました。生まれては消えるVTuber事務所の数々、「魂」の方も下手な中小事務所に属するよりも個人活動のほうが良い、ということに気付き始めているように思います。
そして壱百満天原サロメの登場。その個性的な振る舞いにより初配信から僅か2週間でチャンネル登録者数100万人突破という大記録を打ち立て、いまのVTuber界隈における潜在的な視聴者の多さを知らしめました。
しかし個人的には、サロメ嬢の大記録もやはりにじさんじという土台があってこそ、言ってしまえば「都会の一等地」だからできた芸当で、VTuber界の貧富の差は広がる一方だなと感じています。
あと個人的に驚いたのが、大手企業の間で「切り抜き動画」を公式に認め、さらにはユーザーが切り抜き動画で収益を得ることも許容する方向に動いていることです。これまでは暗黙の了解・グレーゾーンだったものが、公式のガイドラインで許された行為として堂々と収益化できる配信者が増えました。
さてそんな中で2023年のVTuber界隈ですが。
まず「タレント事務所としてのV企業はもう流行らない」というのが一点。
次に「切り抜き動画の洗練」、たとえば「切り抜きノウハウの解説コンテンツの流行」や「自動切り抜きツールの開発」、さらに踏み込んで予想すると「V本人あるいはファンから依頼を受けるプロ切り抜き師の誕生」というのもあり得ると思います。
これは結構シビアな話題ですが、いまVTuberってほとんどの人が伸び悩んでるんですよ。そんな中で口コミ効果が狙えるのは切り抜き動画で、SNS上に良質な切り抜き動画を流す、というのが新規層獲得に大事だっていうのがほぼ判明してるんですね。なので2022年に切り抜き動画に関する規約がしっかり作られて切り抜き師に優しくなったわけです。
そして最後に、もうVTuberブームは完全に終わっていて、今あるのは「配信者の形態の一つとしてのVTuber」や「配信者大手事務所としてのVTuber」に過ぎない、と思います。つまりもう流行ってないんですよ。VTuberって。
これは明確な根拠とかはないですが、VTuberというジャンルが生まれて5年、目新しさを感じることはほぼ無くなり、似たような配信者が話題の最新ゲームをプレイするばかり。2023年にもなって、Vになれば売れる、とか思ってる人は能天気すぎるでしょう。
ジャンルとしては根付いたように見えるので、続ける人は続けるだろうけれど、新規参入が極めて難しい界隈になったように見えますね、はい。
VTuberというのは、配信活動をやりたいけど顔出しはしたくない人が理想のアバターを画面に出す、というもののことであって、ブームだからVTuberになるとか、そういう時代ではなくなったんだと思います。